「ウォッカと聖書犬」稽古場日誌
第1回


【田中嘉治郎】
10月15日(金)〜世田谷某所〜
今日は新しい台本があがって来た。10Pもある。情報量が凄い。そして夜は寒い。寒いのはイヤッ!僕は世の中に訴えたい事など皆無に等しいのですが、寒さに対しては『ダメ!ぜったい!』という絶対的な厳しさで挑みたい。冬にならナベツネになれる。あんなに異常に暑かった夏から一月半しか経ってないのに。稽古場日誌に話を戻して宮崎くんがビデオカメラを持ち込んで自分の場面をチェックしてる。見習いたい。にしても今のカメラって小っちぇ!

10月16日(土)〜世田谷某所〜
今のところ手探り状態なワタクシ。楽な方に流れてしまってる様な気がする。寒さのせいだ。暖かくな〜れ、暖かくな〜れ。今日、左上奥歯の詰め物が取れた。3年程前に右の上下の詰め物が取れてしまってから、なんとか騙し騙し左の歯だけで食事をして来たのに、もう逃げられない。食事が出来無くなる。三度の飯より食べる事に目がないワタクシは、同じ位に痛い事・辛い事・悲しい事が大嫌い。勘弁してつかぁさい。ここは取れた詰め物をそっと元の場所に戻してあげて無かった事にしよう。今回も小道具隊長の僕は、前回の失敗を踏まえてなるべく早め早めの行動をと決意するも空回り。何処かにないもんかなぁー、アレ。

10月17日(日)〜世田谷某所〜
今日は衣装の金子さんが稽古前にいらっしゃって吉増さんと打ち合わせ。そういえば第2回公演の時に、役者4人分の編み上げブーツを貸し出し、仕込み日と楽日に大変な目にあったのを思い出した。そんな想い出に浸っていたら、廻さんが出てない場面の稽古中、録画中の宮崎くんのカメラの前でこっそり尻を出す事数回。その度ドロレスさんが制止するも独り嬉しそうに尻を出す廻飛雄。たまにシラフで気がふれる廻さん。独りテンションが上がる。普段がしっかり者なだけにギャップがあり過ぎで、そんな廻さんが僕は大好きだ。ホント子供だし。いつまでもそんな感じで追い掛けさせて下さい。アノ映像を客入れで流したいナァと独り密かに願うのであった。